先生・・・
どうして貴方は
僕達を引き逢わせたのですか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tear

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「日本に残してきた娘がいるんだ。」


それが全ての始まりだった。
この時から始まっていたんだ、何もかも・・・。

 

 

 

 

 


最初に見たのは白。
寒空の下、雪原を駆け回る少女がいた。

一目で心奪われた柔らかな光。
心地よく胸に響く透き通った声。
弱さ、脆さ、寂しさ、恐怖、絶望・・・負の要素全てを抱え込み
それでも尚懸命に見せた笑顔。
その儚げな笑顔の内に秘めた生への意志。
自分には無い、生への執着。

この時。
生まれて初めて、任務を全うする為だけの己の存在が意味を成し得た。
彼女を守りたい。
守りたかった。






彼女を見守り、彼女を求めた。
そして出会いを果たした。
だが彼女は拒み、その身を捕らえても
その心は捕まえられなかった。

でも、それでもよかった。

彼女の傍にいられなくても。
彼女の笑顔が自分に向けられなくても。



彼女が何処かで心から微笑んでくれるのなら。
彼女が何処かで本当の幸せを掴んでくれるのなら。
その為の世界を自分が創るのだと。


それでよかったはずなのに・・・











幾たびの再会の末、想いは通じ、願いは叶えられた。
彼女を欲し、受け入れられた。
求めてやまなかった彼女の身も心もやっと手に入れた。
人間の感じる幸福というものを魂で感じた。

 

 

 

 

「貴方の躰は冷たいのね。」

そう言って温もりを分けてくれたその躰は
今は冷たくて。
柔らかな光に包まれたその魂は宙へと溶けた。
彼女の生はここで終わり、僕の前から消えてしまった。
もう僕の手の届かない所へと。




僕は間違っていたのだろうか。
彼女を守ろうと誓ったこと。
彼女を愛したこと・・・

結果、その想いは彼女を死に至らしめたのだから。

 

 

 

 

 

先生、これも貴方のご意志なのですか。



僕達が出逢い、愛し合い、そして彼女が天に召されることも。
僕が独り残され絶望を味わうことも。

そして、僕らには必要のなかった涙を流すことも。






彼女がいなければ僕が僕であることに何の意味もない。
彼女がいなければこの世の未来に何の価値もない。


先生、教えてください・・・

僕は・・・






 

 


 

 

FIN

 

 






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紀世子さんの死に、狂う一歩手前くらいのノウェム。
自分とこのリアルタイムからは結構たちますが、20話後に作った詩(?)でしたι

自身の信念に何の疑いも持ってなかったようですが
(なんてたっって「僕らに正義はある!」ですからι)
自分のしてきたこと、すべきことに疑問を抱き始めてるんじゃないかと勝手に妄想。

なんだかこのノウェムは紀世子さんの死を円輝道の所為にしてる節がありますが(;^_^A、
そのへんは「全ては宇宙の流れ」だと「それも先生の意志」だとか(<台詞うろ覚えι)
語ってたあたりからこんな感じになりました。センセが全てサ!(笑)
でもホント、円輝道がノウェムを紀世子さんちの前に落としたんですよねえ。確信犯?

とにかく!本編でノウェムさん泣くとか狂うとかやってくださいよー!!(>_<')

 

2004.2.22