パラレルのような、ギャグのような。
いつとか、何処でとか、キャラが違う、とか細かいツッコミは無しの方向でι
時期的には10話後〜14話あたりです。

 



































LOVE BATTLE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノウェム、お前はどうして獣化しないんだ?」
「え・・・」
 

 


不意にドゥオが訪ねた。
突然の脈略もない質問にノウェムは少し驚いた表情を見せたが、
答えるわけでもなくただ黙っていた。

 

「ま、お前は獣化しなくてもデュナミス強いけどな。
でも俺はヒトの姿でちまちま戦うのは性に合わないぜ。 獣化して一気に片づける!」
 
自分の問いに答えないノウェムにドゥオは追求もせず視線を外しながら言った。
そんなやりとりを側で見ていたセクスがクスクスと小さく笑う。

「なんだよ、セクス。」
「ノウェムが獣化しないワケ、俺知ってるよ。」
「・・・・・・」
 
ノウェムの視線がセクスに移る。
動揺するわけでもなくただ静かに。
そんな視線を受けながらセクスはまたクスっと笑って話を続ける。

「ノウェムはさぁ〜、見られたくないんだよね。」
「何を?」
「だから、獣化姿。」
「誰に?」
「先生のお嬢さん♪」
「先生の? 何故だ?」
「鈍いなぁ。これだから先生と戦いしかアタマにないやつはι」
「む・・・」
「人間にとって俺らは化け物なんだよ。
オクトなんて獣姿見せただけで失神されたからね。あの姉弟に。」
「ふん、高貴なる神の姿を映す我らを見て失神とは無礼な奴らだ。」
 
心底心外だといった風にムっとするドゥオ。

「あはは、そうだけどさあ。でもやっぱさ、
好きなコに「キモイ〜」なんて言われてみ? ショックだよ、ありゃ。」
「何、お前オルガの女の事気に入ってんの? 敵だぞ?遅かれ早かれ始末すべき相手だぞ。」
「それはそれってね。」
「いずれ消えゆく儚き命でも、散るその時までは愛でてやろう…ということか。」
「詩人だなあもう。」
 
大まじめに語るドゥオにまたクスクスと笑うセクスだった。

「ふうん。俺だったらあんな女より先生のクローン、竜也って言ったっけ?
あっちの方が興味あるけどな。」
「おお、問題発言。」
「あの怯えた表情。いたぶりたくなるぜ。」
「それは先生に対する侮辱ともとれるが?」
 
静かに2人のやりとりを聴いていたノウェムがふっと会話に加わる。
  確かに、竜也は円輝道そっくりなのだが、
ようやく口を開いたノウェムに弁解するわけでもなくドゥオがまたノウェムに向き直る。


「ああ、話脱線してたな。それで、ノウェムは先生のお嬢さんが気に入ってると、
そういうことか。」
 
あいかわらずその問いには黙り込むノウェム。
が、小さく息を吐くとぽつりと呟いた。

「別に。獣化しないのはその必要が無いからだ。
状況が状況なら獣化する事もあるだろう。彼女の事は関係ない。」
 



表情も変えず淡々と語り、それだけ言うとノウェムはその場を出ていった。

 

 

 

 

 

「・・・怒ってなかったか?」
「さあね。でも無意識なのか知らないけど、気にしてる事は確かだねえ。
俺らの邪魔をするなら容赦はしない、とか忠告しておいて結局
手はくだしてないもんね。寧ろ、殺したくないって感じだった。」
「それは先生のクローンだからか?」
「紀世子さんが悲しむからじゃないかな。」
「・・・矛盾してないか?」
「だから、そういうのが恋ってもんなの。」
「・・・・・」
 


眉間にしわを寄せて黙り込むドゥオ。
詩人な割には男女の色恋沙汰には少々疎いようで、唸っているドゥオを
セクスはまたにやにやしながら観察するように見守っていた。
すると。

 



「馬鹿らしい。恋だの何だのって何マジになってんのよ。」
「ウーノ!」
「いやあね、頭の固いドゥオに色々教えてあげてるんだよ。
それにウーノ、馬鹿らしいとかなんとか言っちゃって。俺知ってるよー。」
「何よ?」
「こないだ派手に倒れた時に先生の写真落ちてたっけな。」
「うっ・・・それはっ。わ、私は先生を崇拝してるだけよっ。心の底からね。」
 
平然と取り繕うように弁解するがどことなくぎこちないウーノ。

「どいつもこいつも色気付きやがって。」
「とりあえずさー、楽しかったらいいんじゃない? たとえ限られた命でもさ。」
「・・・・・・・・・」
 

 

セクスの何気なく言った言葉に押し黙る2人。
気まずいムードを察してか、セクスがまた何気なく話題を振った。


「そうそう、ドゥオ! セプテムなんてどう?美人だし。」
「好みじゃないね。というか、ありゃノウェムにべったりじゃねーか。」
 
セプテムのノウェムに対する態度は
頭の固いドゥオにもそう見えるほど露骨のようだ。


「じゃあクァトルは?」
「・・・コワイ。何考えてんのか分からないし。」
「じゃ、クインケちゃん。可愛いよね。」
「ありゃ、トリアの女だろ。」
「んーーー、じゃあデケム!」
「アイツはオトコだろっ!!」
「ま、一応分類は。」
「あのなーっ!」
「きっと、先生間違えちゃったんだよね。」
「?」
「デケムって10番目、最後じゃん。
男と女どっちにしようかなーなんて迷ってるうちにああなっちゃったとか!」
「・・・( ̄_ ̄|||)」
 
ケラケラと笑うセクス。

「そういえばノウェムもちょっと女性的な所あるわよね。」
「やっぱさ、10人も造るの大変だったんだよ。うっかりミスもあるって。」
(こいつ、可愛い顔して失礼な事をサラリと言うな・・・)
「それなら、私は一番に造られたのだから先生の期待と愛情たっぷりよね。」
「違うね。一番目はたいてい試作だ。だから2番目の俺が・・・」
「なんですって!!」
「なんだよ!?」
 
突然デュナミスをぶっ放すウーノ。
ドゥオはとっさに腕をクロスして持ちこたえるもすぐにウーノが懐に回り込む。
腕を組んで顔面すれすれに睨み合う両名。





(やれやれ、やっぱり先生か。)
 






睨み合ったまま動かない2人を前に苦笑しながらセクスはそそくさと退散した。

巻き込まれる前にと。







 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふっと気まぐれにセクスが移動した先には先ほど消えたノウェムの姿があった。
道ばたから何やらマンションを見上げている。

 

 

 

(あ、ここって・・・)
 
特に何するわけでもなく、佇むノウェム。
が、気配に気づきセクスに静かに振り返った。

「やっぱりマジなわけ?」
「・・・・・・・・・」
「でも彼女、弟クン溺愛しすぎちゃって他人の入る余地無しって感じじゃん。厳しそうだな。」
「知ってるよ。」
「え?」
 

 

そう言ってノウェムは自嘲気味に笑うとふっと飛び立ってセクスの前から消えた。

 

 

 

 

 

 

「うーん。切ないな、ノウェム。 ま、頑張れよ。」
 

 

ノウェムの消えた方角を見上げながら小さくエールを送るセクスだった。

 

 

 

 

 

    たとえ、限られた命でも・・・

 

 

 

 

 

「んじゃ、俺も風子ちゃんに会いに行くかな。」

 

 

 

 

ぐっと伸びをするとホテルプロヴィデンスに向かってセクスも飛び去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

オワリ

 

 

 

 

 

かなりキャラ崩壊してしまってるかとι
ギャグってことでご勘弁(;^_^A
でも、ノウェキヨに至ってはマジです!

デケムごめんι でも好きよv